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◎第五十四話: 「オフトン」の話
◎第五十四話: 「オフトン」の話
前書き:
日本茶の味は子供に分からない。けれども大人になって苦みと複雑な味が分かるようになると、こんな美味いものは外に無いーーー。ユーモアはこれに似ている。
1.オフトン
社会人になりたての頃、必要に迫られて勤務後英会話学校に通った。ひとクラスが十名程度づつの小教室が複数あり、中級クラスに入った。JR(当時は国鉄と言った)神戸駅の近くにあった。
英国人の若い教師だったが、私よりは年上に見えた。会話の中でたまたま「Often」(=しばしば)という言葉が出た。彼はそれを「オフトン」と発音した。会話の練習だから、「オフトン」が何回か繰り返され、これが私は気になった。




