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事務員募集(2)

 私の中では先に書いたように、運転免許は読書の習慣と同じと見ている。「(事務員を)選べば書を読みてーーー♪」では決してなくて、「運転免許の保有者」=「翼を欲しいと願う人」・「アマゾン河を探検したい人」・「長生きしたい人」の筈でーーー、つまりは、好奇心が旺盛→新しい仕事に「積極的に取り組んでくれそうだ」、と期待するからである。


 まるで「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな話だが、私は大真面目。

 積極的な熱意を持って仕事に取り組んでくれる人を欲しいと考えるのが、何時の時代でも会社の経営者というもの。特にウチのような小さな会社では、真剣にソウ。鉦や太鼓、あの手この手でそんな人を見つけようと骨を折る。給料の為だけに働く人よりも、積極的な好奇心を持って仕事を楽しんで欲しい。ただ、それだけの為だ。


 同じ意味で、読書が趣味ですというのを聞いた時も、矢張り密かに加点する。これは教養がありそうだからの為ではなくて、先と同じく「好奇心が強そうだ」の意味の加点。そんな訳だから、もし応募者に「本は何の為に読むか?」の疑問を発するような人がおれば、ウチでは決して採らない。


 同じ質問に対する応じ方も、識者がいうような、本=「教養・人格を創る」という曖昧なものではなく、会社の経営者というのはもっと現実的と言える: 読書や運転免許証を僅かな「手掛り」にして、その人が「好奇心が強いかどうか・積極的に金を儲けてくれるか・積極的に長生きしたいのか」を、少しでも「探りたい」からである。


 採用された事務員にバックシャンが多くなってしまうのは、案外こんな為かも知れない。正面が「見目麗しい」人は観賞用にはもってこいなのだが、(周りからちやほやされる為か)受け身に回り積極性に欠ける人が案外多い気がする。

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