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本物になる

5.本物になる


 大手企業なら、先に挙げたような企画立案や建策は、専門部署やそれらしい部門があって、手分けして実現する訳だろう。統帥する社長の仕事は楽なもので、それらにGOサインを出すだけ。けれども中小企業では、そうは行かない。大概、経営者一人が企画から立案・実行まで、自らやらないといけない。他にやる人が居ないから。


 幼児と大人は姿や形は相似形だけれども、同じではない。幼児が恋をするか? これと同じで大企業と中小企業では、ただ会社のサイズや社員数だけが比例して違うだけと思い勝ちだが、これは違う。特にウチのような小企業はまるで違う世界なのだ。

 それならばと言いたいがーーー、儲けた利益の分配についても大企業と同じようであるべきではなく、真似をしてはいけない事になる、と考えた。経営者として画期的な進化。


 これ以来利益の1/3支給方式を私は卒業した。 より多くの報酬で報われる者が居るとすれば、「駒」ではなく「指し手」の筈だと考えたから。そして一般に小企業では「指し手」は一人しかいないもので、それが経営者。

 以後「世間並み+多少のアルファ」以上の賞与額を、出さなくなった。(仮に)こぼれるほど沢山な利益が会社にあったとしてもーーーである。それが「厳密に公平」と考えたからだ。


 どケチな経営者と思うだろうか? いいや、此れをフェアだと私は考えている。1/3支給方式をやるのは経営者としてプロではなくアマチュアであり、むしろ間違いでさえある。冒頭で書いたが、「日頃の皆さんの努力のお陰で、会社は成り立っております。社員を家族と思って(賞与で)報いたいーーー」これを聞いて、私の背筋に悪寒が走る理由がここにある。

お陰で鬼と陰口を叩かれるようになったが、やっと近年自分が本物の経営者らしく成ってきたと考えている。




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