マネをしやがった!
15.マネをしやがった!
予想してはいたが、彼らの鮮やかな成功振りを見た時は、少々空恐ろしくなりました。使い方によって、殺人兵器にもなり得ると分かったからです:「(先に述べたように)その様子はーーー私の中にもう一人の自分が棲んでいて、他方の私をリモコンで操縦して目的地へ「連れて行ってくれる」ような錯覚を覚えた。操縦には何の努力も要らなかったし、苦労もしなかった。これこそ自動操縦ですーーー」
このルールを使えば、例えば「Aさんを殺すと強く思う事」を、他人に移入させられるからです。直接手を下して殺した本人は罪に問われるが、こっそり移入させた方は殺人の証拠を残さないから、完全犯罪です。自分自身を自動操縦する個人的な能力だと考えていたものが、実は他人へ影響を広げられて「共有出来る力」だと知ったのは、大きな発見ではありましたが、同時に恐ろしくも感じました。
丁度その頃でしたね、凶悪なサリン事件でオウム真理教の首謀者麻原彰晃が逮捕され、大きな社会問題となったのは。当時の衝撃的な新聞記事を読んだ時の私の印象は、恐らく一般世間とはかなり違っていました:「麻原の奴め、(強く思って)俺のマネをしやがったな!」
私は現在、外資と新しい合弁会社を作ろうと「強く思って」います。だから私が健康である限り、遅くとも数年以内には、きっとこの計画は実現する事でしょう。間違いありません、なぜなら私は毎日その事を「思って」ばかりいるからです。
「思いの力」とはどんなものか、判って戴けましたか? ある意味、超強力だから恐ろしくもあります。でも、こう考えてはどうでしょう: 核爆発は爆弾に使用して大勢の人間を殺すが、他方で原子力発電所で電力を起こし人の生活を幸せにする。また、同じガソリンでも爆発させてテロで大量殺人に使えるが、エンジン内で爆発させれば車の走行に使える。
麻原彰晃のように悪用も出来る。だからと言って、この一事を以って恐れるばかりでは愚かです。大きな力を自分の「幸せを構築する」便利な道具として活用しない手はありません。
貴方も私も何でも出来るーーー、簡単だ「強く思いさえすれば」よい。科学的に言うなら、これは自分の潜在意識(=意識として気付かない深い処にある自分の意識)への「働き掛け」を意味します。自分の中にもう一人別の司令塔のような自分が居て、他方をコントロールするような気分ですが、少し練習すれば誰にでも可能です。
無意識の力だから「この力」の存在に気付く人は少ない。地球に住んでいて、引力に気付かないのと同じ。その証拠に、私がD製品ばかり売った理由を、配偶者以外「誰一人言い当てられなかった」のを見ても分かります。気付かないからですが、多くの人が「この力」を活用していないのは、もったいない。
活用しなくても、無論人はちゃんと生きて行ける。けれどもそれを「自覚する」事によって、初めて自分のものとなし「便利に利用」出来ます。決して詭弁でもなければ、私一人だけに可能な特殊能力でもない。従来から一部で知られている事実で、「それが人の能力だ」(=サルではない)という事になりましょうか。




