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樋口一葉

++++以後、A君はドイツの英語を止めて、もっぱら数の勘定には「Off」を使っている。彼の方針を根本から変えさせたから、やっぱり英国人は偉いものだ。


3.樋口一葉


 つい脱線したが、冒頭の本はアマゾン河滞在の約7年間の随想。ダラダラと実に長編。原文が悪いのか訳文が悪いのか、こっちの白内障手術後の眼には辛い。偉い先達を貶める積りはないのだが、例えば265ページ目には、こんな記述がある。読者の何パーセントが正しく理解するでしょうか?


「ペッピピ(=? 何の事か判らないが文脈から樹木の学名と思われる)が、平らな土地から壁のように屹立していると記載した、太平洋側から240マイルのアンデス山脈の最東部の尾根を出発点とする、本流と支流の、全てがとうとうと流れ抜けている全域は、一様にそびえ立つ光も通さない湿林で覆われた長さ1000マイル、幅500~600マイルもある広大な平坦な土地である。ーーーーここに棲む者は、常時蒸し風呂の中で暮らしているようなものであるが、気候は『健康的である』。しかしながら、私は今ここでこの地方に関して『冗長な記述』をなすべきではないーーー」(『』は私が入れた)


 ここで、「蒸し風呂 → 健康的」・「ベッピピ → 冗長な記述をなすべきでない」なんて、ひょっとしたら英国人特有のユーモアかいなーーー、と当初は錯乱した位。しかしこの博物学者には、隅々までユーモアは一行も存在しない。気の短い人ならこの文章だけで、切れるかも知れない。


 それだのに、(印刷前の)この本の元原稿を読んだ(かの高名な)ダーウインが、「素晴らしい名文だ、直ぐ本にして発行したまえ!」とけしかけたらしい。昔の人は理解力に優れ、実に気が長かったと分かる。

 そう言えば確か、五千円札の樋口一葉の文章もこんな風に切れ目が無いですなーーー。(私以外の)世間全員が名文だと絶賛していますから、これから分かる通り、悪いのはきっと私の頭の方なのでしょう。


 それにしても、文章が(もう少し)メリハリがあって分かりやすければ、「もっと」面白い本だのにーーー、と実に残念。こんな事を思わせる「小難しい本」だから、マニア以外の人には余りお勧めしない。




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