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◎第三十六話: 「アマゾン河」の話

◎第三十六話: 「アマゾン河」の話


1.デイズニ-の蒸気船


 「アマゾン河の博物学者」(著者:H.ベイツ 英国の博物学者)という題名の本を、現在読んでいる。翻訳物で1990年に国内で刊行されたものだが、出版元の思索社は、その二年後に倒産したから、古い本。中古本を購入。

 ネットAmazonでは、廃版になった古本でも「即座に手に入る」のは、流石に時代の恩恵。一ページが二段組になっていて、ぎっしり活字の立て込んだ470ページ弱の分厚さ。


 著者ベイツはタフな博物学者だが、南米アマゾン河を七年掛けて探査した時の観察と随想である。本来の研究の専門書とは別。冷静な観察眼を養っている学者らしく、「それ冒険だ・大変だ・死にそうだ・くっ苦しい!」みたいな気負った処は無い。精々「大量の蚊に襲われて眠れなかった」・「ひょいと横を向いたら目と鼻の先の木に、絡まったガラガラ蛇がいて、ギクリとした」と言う位が最高の表現で、実に「淡々」書いている。


 淡々としているだけに、面白くないと言えば確かに面白くない。が、言い換えれば「淡々」の裏側を読者が勝手に「想像を膨らませる」のは勝手で、「超大変だ・三度死にそうで・五度死んで苦しいっ!」という風に、実際以上に楽しめる。


 原著の書かれたのが、江戸時代(=維新の十年以上前)だから、もうこれだけで「感動的!」。その頃は英国の植民地時代だったが、そんな昔に学術研究の為に、一人の博物学者をアマゾン河へ派遣するだけの、「国力」・「政治の懐の深さ」が英国に既にあったと知るだけで、充分な驚きだ。進化論のダーウインが未だ息をしていた同じ時代。


 当時英国からアマゾン河へ行ける「蒸気船」が存在したというのも、またまた驚き。蒸気船とは、ほら、デイズニーランドにある両舷に水車のあるやつ。これだけの事で、英国人を尊敬したくなる。


 彼らは、世界で初めて蒸気機関を発明し、船のエンジンに活用し、産業革命を起こした国。こんな歴史に思いを馳せると、英国人を「違った目」で眺めるようになる。自国の事をちゃんとイギリスと言わずに、UK(ユーケー:United Kingdom:王国)とかGB(ジービー:Great Britain:偉大なる大英帝国)と「偉そ張る」のも、頷ける気がする。我が国に劣らず、充分に偉大なのだ。



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