水攻め
++++賭けの好きな社長は、どういう経緯で社長になったのか知らないが、経営者として苦労が足りなかった、という気がします。馬券の買い過ぎだよ。
5.水攻め
冒頭の「資金効率」の話に戻る:
桶狭間で信長は優れた戦略と勇気を持って、「寡兵で」今川義元の大軍を打ち破りました。華々しさと果敢さは、後世までも天才と賞賛されている。確かに偉大な武将で、私も好きな話。会社の経営で言えば、小良く大を制したのですから経営効率が「とても好かった」訳です。
ですがーーー忘れてはならない点があります: 信長は二度と同じ戦術を繰り返しませんでしたよ。その後の殆どの戦さでは、相手より圧倒的に勝る戦力を準備してから、勝つべくして勝ちました:播磨三木城や鳥取城の干殺し(=大軍で囲んで、相手が飢えるのを待つだけの兵糧攻め)、高松城の水攻め(城を水浸しにして待つだけ)にしても、戦争は大土木工事でした。
華々しくはないが、そんな戦略は攻める側に遥かに「安全で有利」。けれども桶狭間の時代には、この戦略を信長は(取ろうにも)取れなかった。兵力(=資金)が乏しかったから、大バクチを打つ以外に選択肢が無かった。
この例のように、資金に余裕のある会社と、資金がギリギリの会社では、取れる販売戦略には大きな違いがあります。
桶狭間という最も「効率が好い」華々しい成功体験がありながら、以後に繰り返さなかったのは、信長が戦争はバクチであってはならないと知っていたからだ、と分かる。だから「一層偉い」と思うのです。
社内留保金の増加、いわゆる貯金を増やすのは、資金効率が悪くて時代遅れというが、スカイマークの失敗や歴史を見なさいと言いたいのです。
完
比呂よし




