パラノイア
++++そうーーー、会社の経営は「実力主義」、決して民主主義ではありません。それはともかく、結果として、会社は銀行借り入れ(=借金)はゼロとなっている。
3.パラノイア
設立当初、華々しく登場した格安航空会社スカイマークが、経営危機に瀕しました。けれども、うっかり同情する程の事はありません。
元々年間利益が20~30億円しかない(税引き後は、更にその半額近くになってしまう)会社だのに、身の丈を超えた1900億円の買い物(=エアバス社から、新しい飛行機六機の購入)をしようとしたなんてーーー、何のタタリか聞いて呆れる。「お前、アホかいな」と思う。バクチみたいだから。
会社の経営は、家計の管理と変わらない。先のやり方は、客足がどんどん伸びている時は、毎月の収入(旅客運賃)から、航空機購入の借金を返済して行けて、資金が都合よく回る。それでも、危うい自転車操業に変わりは無いがーーー。
けれども、一旦「超格安」航空会社というライバル社が出現したり、経済ショックで客足が鈍るとか、円安で航空燃料が上昇したりするなら、たちまち立ち行かなくなる。目算が狂うというやつで、なるべくして事実そうなりました。
先のようなリスクは、経営者なら充分予測し得る範囲。会社には社員がおり、それを頼りに家族もおれば、爺ちゃんも婆ちゃんもくっ付いている。生活を支える責任を考えれば、経営者はバクチ打ちであってはいけない筈。むしろ、パラノイア(=極度の神経質)であるべきでしょう。
たまたまバクチが上手く当たった後で、「乾坤一擲社運を賭けてーーー、(経営者は)難しい決断をした! よって成功した」なんて聞くと、無責任な外野席から「キャハッ、カッコ好い! 凄い決断だ、パチパチ」のエールが聞こえて来そうです。が、本当はイキというよりむしろ愚の骨頂。
業績が伸びている時経営者は高揚感に浸り、「何でも出来る」と思い込み勝ち。これで、賢い筈の経営者が、先のようなバクチに走って失敗をします。スカイマークの賭けの好きな社長は、どういう経緯で社長になったのか知らないが、経営者として苦労が足りなかった、という気がします。馬券の買い過ぎだよ。




