コレが得意
++++そんな試練にJALも潰れた・カネボウもダイエーも過去三十年以内に潰れた。同時期を、ちっぽけなウチは生き延びたーーー。いいや、利益を上げ「続けた」。
7.コレが得意
世の中も商売も変わるのだ。そんな変動に際して、B社(100万円側)の営業マンは「売る力」を、普段から身に付けているから、200万円の物でも300万円の物でも、要するに「何でも」売る力がある。時代の変動という変化球や応用問題に強い。
因みにウチでは、販売先を旧来の原発とのビジネスから、すんなり風車のビジネスに乗り換え、現在かなりな市場シェアを確保している。これは三十年前に賢く予測した先見の明では決してなく、普段から「売る力」を身に付けていた結果に拠る。
鍛えた販売力が身に付いておれば、こんな芸当も可能: 他の販社が「専門に」売っている製品の分野へ後発として進出して、その市場を「奪い取る」のだ。他人の「真似をして」、他人以上に上手くやって「その上」を行くやり方。遂には、その会社を市場から「追い落して」しまう。同業者として後から仲間に加わるように見せかけて、本家の他社を食い殺す。ウフフ、ズルイやり方だが、安全で失敗が少ない。昆虫の世界では当たり前らしいが、K作戦(昆虫・コロシのK)と言い、ウチはコレが得意。
三十年以上続く会社は珍しい(=起業した会社の99.98%が三十年以内に倒産・廃業・消滅してしまうという冷酷な数値がある)のだが、成功する為に、何か奇策・突飛なアイデア・「運に頼る」事が必要な訳ではない。①経営者に普通の常識があり・②安物を扱わない・③売るのが難しい物を敢えて売るーーー、である。物事の極意とは、大抵何でも無く「普通に見える」ものだ。
「(世の中に)売れないものは無い」と冒頭に書いたけれども、「じゃどうすれば売れるの?」と突っ込みが来そうだが、これで回答を示した積りである: 私の目の黒い内は、ウチの会社は「潰れようがない」と、勝手に思っている。足が二本あるから、普通に歩いておればこけないだろうと思う位に、自然にそう考える。「販社の経営」なんて案外気楽なもので、だから、気楽にやっている。
完
比呂よし