ワーキング・ラク
++++私なんか年に一錠だからよいようなものの、大量消費する同輩が可哀想でならない。日頃のうっぷんが昂じてつい感情的になったが、頭を冷やして話を本題へ戻す:
4.ワーキング・ラク
先の1.2万円で売るA社の場合の儲けはたった2千円だから、自分一人でやってもペイしない。が、B社なら100万円で売って99万円が儲けだから、この儲けで①営業員を雇えるし、②営業車も買え、③ひょっとすればTVで宣伝も出来る。つまり、営業活動に一層前向きになれるわけで、長期のスパンで見ると売上が増えて「生き残り易い」のはB社、と言うのが私の考え。
売上不振で儲からない三流メーカーから、「経営指導を頼む・どうすれば良いか?」と相談を受けたら、私はきっとこう応える:「なに、簡単だよ、社長さん。売値を今の三倍にしなさい!」
「高い物」を売るメリットは他にもある。同じ儲けを得るのに、「忙しくしなくてよい」という点。例えば、「たこ焼き」を100万円分売るには、何人もが何日も掛かって、朝から晩まで焼いたりひっくり返したりのてんてこ舞い。が、ウチの製品単価は一台が100万~200万円程度だから、そんなにじゃんじゃか売れる訳ではない。自然、超多忙となる訳はない。
私は他人を労働に駆り立てるのに一切頓着しないタイプだが、さて駆り立ててやろうかと思って見回すと、終業時間から十分も過ぎれば、社内に誰一人居残っていない。
ワーキング・プア(=非正規の意味に近い)という言葉があるが、ウチならワーキング・ラク。ウチに限って「天国は死後の世界ではない」。「ラク・ヒマ」が必ずしも良いとは限らないが、経営上のメリットとしては、社員の数をいたずらに「増やさなくてよい」→「不況に強い」という事になっている。
販売価格が髙いほど会社が長続きするというのは、一般の感覚(=量販電気店やスーパーマーケットでは、安いものほど沢山売れるという心理)に反するように見えるが、先のカラクリに拠るからだ。