同輩が可哀想でならない
++++三十二周年に届いたのは、特徴=経営者の「個性」、に依存しているからかと考えている。これを「能力」と言わない処が、松下幸之助より謙虚なわけだ。
3.同輩が可哀想でならない
先に書いた通り「(世の中に)売れないものは無い」のだけれども、ウチでは、「安物を扱わない」事にしている。だから、チリ紙やたこ焼きは商いせず、「高額な物」に特化している。主として輸入品(ドイツ製品)を扱っているのはこの為で、売値に何百万円かの髙い値段を付けられるからに他ならない。
高額に特化する理由は、はっきりしている:
同じ労力で儲けが一割とするなら、千円の物を売れば儲けは百円だが、一千万円のものなら百万円。後者の分が良いに決まっている。
万有引力みたいに当たり前の理屈だが、案外気付かない人は多い。何故気付かないか? 安い物の方が売り易いと(経営者でも)勘違いをするからだ。売れるものなら薄利でも何でも扱うーーーという「誘惑」に負けるから。
大抵の工具屋がそうで、結局特徴のない販社になってしまう。一本五十円のネジであっても、注文を受けたら車で配達するのだ。
「仮に」製品の製造原価が1万円掛かったとする。これに2割の利益を載せて1.2万円で売る(=A社)とする。これは価格として安い。「高額なものしか売らない」と先に言ったから、ウチがこれを扱うなら「高額な物に変身」させる。つまり同じ物を100万円で売る事になる(=B社): → 説明を判りやすくするために、やや大袈裟に書いている。ウチはそこまで暴利を貪らない、いや、ホント。
詳しくは知らないが、化粧品や医薬品などはこれに近いかもしれない。愛用するバイアグラ(ED専用の男性勃起薬)が開業医で一錠千円というのは、泥棒だよ。どう考えても原価は百円以下。声を大にして文句を言うと目立ってしまい、フニャチンがバレて格好が悪いから、誰も苦情を言わないわけだ。特に老人はプライドが高いからーーー、その弱みを突きやがる! 私なんか年に一錠だからよいようなものの、大量消費する同輩が可哀想でならない。
日頃のうっぷんが昂じてつい感情的になったが、頭を冷やして話を本題へ戻す: