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人殺しの計画

11.人殺しの計画


もう一つ。

②(上役)「A地区のアイツの売上げ成績が伸びないんだよなあーー」


 これも決して相談ではない。上役はアイツを育てようという意志が 「もう無い」からだ。 匙を投げており出来れば辞めて欲しいと、縛り首みたいに残酷な事を考えている。 人殺しの計画を誰かに賛同してもらいたいだけだ。


 そこへ先の通り:「社長、もう一人ソコへ入れたらよろしいねん。 二人を競争させたらどうです? 放っておいても成績の悪い方は嫌になって直ぐに辞めまっせ。 会社は損しまへん!」 これは上役の言いたい処の的を得て、いや「それ以上」に代弁している。


 上役が考えている「一歩先を知り」、立場になって考えてやることだ。 出来るなら、上役が想定していない「違った切り口」を示せれば尚良い。元々情報が少ない下役の貴方に、それは決して易しくはない。だから、「切り口」が画期的なベストの案である必要はないのだ。セカンドベストかサードベストでよい。想定外で上役を少々 「ハッ!」とさせれば充分足りる。貴方の存在価値は、間違いなく上がり頼りにされる。


 ただその為には、その場の思いつきではなく、日頃から良く考えて「出番を用意して置く」必要がある。例えば:この会社は発展しているから遅かれ早かれ関東に事務所を新設する必要があるなあーーー(と二階級上の目線で物を見て)、そうなれば川崎市がベストだなーーーと出番を考えておく。


 そうすれば上役は貴方を重宝し、大切にする。上役が出世すれば、貴方も引きつられて一緒に出世する。何故なら、上役も自分の出世の為には、「重宝な(貴方という)道具」が要るからだ。それはゴルフで(わざと)負けてくれる腕前ではない。


 課内会議は、能力を示す場として重要。 この場合でも「上役の立場で考えてやる」・「違った切り口を示す」のは、先のルール通り。 何か新しい事をやる時大抵は、「言い出しっぺ」が遂行を任されるもので、「アレにやらせてみようか」となるのは昔からのルールである。手を出したものが群れを引っ張る。


 このように出世の糸口は案外何時でも転がっているものだが、大概の人は気付かず、気付いても糸口を掴もうとしない。不平不満を盛んに言うけれども、「じゃ、貴方の考えは?」と訊かれると、ぐっと詰まる人は現実に多い。これでは出世出来ない。


「デートの待ち合わせ場所で顔を合わせた途端、「ねえ、これからどうする? 何処へ行きたい?」なんて、「女に訊く男」は最低よ!」、とハッキリ言う女が昔居た。こりゃ、将来性が無いなーーーと女は本能的に男を見抜くのである。女にはやがて子も出来るし、美味しいものも食べたいし、彼女も豊かな生活がしたいのだ。


 会社も先のデートの場合と同じ。「どうしましょうかーーー?」と考えを持たずに、相談に来る部下を私も嫌いで、先の女と同様に憎しみさえ覚える。これでは人を引っ張れない。


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