そこ・そこ・そこっ!
++++無論、理由は一つだけでなくて、「人肌が好き」と「技能を身につけたい・お金を儲けたい」が同居しているとは思うけれどもーーー。
3.そこ・そこ・そこっ!
「人肌に触るのが好き」というのは、数学が好きだからエンジニアになりたいというのとは、少し違う気がする。マッサージの練習中彼女達は私をからかい、口が悪く軽薄に見えたが、実は「心優しい人達」なんだなと思った。(私と違って)「人を好き」なのだ。
よく考えて見ると、マッサージの練習台になって貰って、私は複数の女達の背中をタオル越しに揉んだ。この時、痴漢ゴッコを楽しむ不埒な気分は別にして、女達の温かい弾力のある背中を触るのは嫌いではなかった。特に私の指先がコリのツボに嵌って、「ソコ・ソコ・ソコッ!」と絶叫して喜ばれると、(その人とセックスする可能性はゼロであっても)決して悪い気分ではない。それどころか、打ち解けるような親しみを感じる。これが人肌をマッサージする醍醐味かもしれない。
肌を触れ合うのが好きなのは、考えれば人の本性だろう。子孫を残す為に人間は繁殖しなければならないが、アクロバットじゃあるまいし、そのときに異性同士が性器の部分だけで結合するという芸当は出来ない。どうしても広い肌の面積で接触してしまう。濃度の濃いスキンシップ。
もし人肌への接触を毛嫌いする人がいるならば、セックス行為が出来ない訳で、人類が今のように繁栄することはない。誰の例外も無く、「人肌が好き」という以外に無い。マッサージ教室の女達の言葉は「素直な人の心」であるようだ。それ以外の答えを期待した私の方こそ、邪道であったかも知れない。