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上役の立場

10.上役の立場


 こんな男をどう思うだろうか? お調子者か? 確かに誤解を受けやすいタイプで、一面そうかも知れない。他人へ親切ではなく、彼を眺める人は大抵そう否定的に思うが、案外隠れた本質を見落としやすい。


 けれどもーーー、どんな事態に遭遇しても、何か解決案を示し、決してヘコタレない人間は少ないものだ。高い目線を持ち、ずばり本質を突くシャープな頭。実は出世するのはこんな男で、そして多分、顔はマズイのに、女に「最ももてる」タイプである。


 誰しもサラリーマンは「自分の立場」となると真剣に考えるが、上役の立場までは 「考えてやろう」とはしない。 考えるとすれば、精々(上役なんか)赤の他人だよ、と考えるだけ。これは能力的に自分の事だけで「手一杯」で、他人の事まで思うゆとりが無いと言える。

 けれども、それでは上役からの「引き」は得られないから、出世は難しい。 じゃ、「上役の立場」とは何か? ここがポイント。


 上役は下役へ意見を訊ねることがある: こんな場合、下役は自分に相談されたと勘違いし勝ちだが、本当は相談なんかしていない。「出来る」上役は、下役に相談なんてしないものだ。形の上で相談に「見せかけている」だけで、その実心中で物事は、「既に」決している。


 だから上役が訊ねるのは、下役に賛同して欲しいか、或いは自分の内心の決定の正しさを再確認したがっているだけ。上役はこれを半分無意識にやる。例えば:


①(上役)「出荷しようと思ったのに、この製品にはキズがあるねえ。」


 これは下役に相談しているように見えながら、相談ではない。 何故なら話し掛ける前に上役の心は、(品質に関係が無いから)「ペイントを塗ってお化粧しよう」と既に決まっている。が、それは罪にならないとしても新品で売るには少々気が咎める。人の上に立つ者として、出来るなら露骨に口で言いたくはない。「誰かが代弁してくれないかなあーーー」位に考えて居る。


 この上役の心が読めるなら、出世する:

(下役)「社長、簡単ですよ。ペーパーでこすってペイントを塗ったら、すぐ新品同様です」が、正解である。


 けれども、もし下役がパア助で、「そうですよねえ、キズは困りますよねえ、僅かな事ですが、どうしましょうか?」 なんて、間の抜けた返事をすればどうなるか?

「バカたれ、大した事じゃないだろ!ペイントをひと塗りすれば済むじゃないか! 直ぐにヤレ!」と、いらついた上役から怒鳴られるのがオチ。出世どころか、何処か遠隔地の営業所へと蹴飛ばされて、二度と出世コースへ舞い戻っては来れない。


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