引力と物体の関係
+++++「何怒ってんの!?」(= 目に険を含んだ女の前では、絶対に禁句。「原因はお前だ!」と内心で怒っている女へ、油を注ぐ) これに、夫の定年退職後に③「やろうよ!」が加わる。
2.引力と物体の関係
夫の定年後は双方とも歳だから、今更相手が他の異性へ寝返る心配は少ないにしても、油断は禁物。長生きが良いとは限らず、定年後は男にとって「多難な前途」が、昔に比べて長期間になったと、評する識者も最近は増えている。
若い夫婦には想像も付かないだろうが、歳が入ってからの夫婦関係というのは、全く違っている。異性関係だと思っていたら大間違いで、完全なる物体の関係。いや、物体なら引力があるから未だマシな方で、敵同士だと平然と言う人も居る位。敵に回されて、損するのは必ず男の側:
昔と違い、最近の毒は改良されていて、目が眩むほど強烈ではない。無色透明で苦味も少なく、食べても「一気死に」を起こさない。味噌汁に少しづつ混ぜられると、気が付かない内に確実に三年は寿命が短縮される。兵糧攻めと言うやつ。
女に対して「しとやか・清楚」といった言葉は、現代ではもはや死語。現代国語辞書の最新版からは削除されているので、意味を知りたければ、古語辞典へ当たる以外にない。もし、手元の辞書に載っているよと言う人がおれば、「ああ、オレも歳をとったなあーーー」と嘆くべきだ。お気の毒だが、ソレはかなり旧版の筈。
歳を取ってからの、傷ましい殺人事件が次々報道される。今回の話は、夫婦の「殺し合い」を防ぐ一助になればと願い、退職記念で浮かれている六十~六十五の男達の為に書く次第。処方箋の限度が六十五なのは、それ以上になると毒入りの味噌汁を呑み過ぎてもう手遅れか、或いは、既に三年短縮されて亡くなられたお方で、これを読む機会が無いからだ。




