沢山は居ないって事!
5.沢山は居ないって事!
太古の昔に、人類は乱婚だったという有力な説がある。女の早熟性と賢さは多分、こんな生物進化学的な乱婚の背景と、女が「授乳・育児の役割」を引き受けた二つの事柄によって、培われたものと思う。この時代、男は浮気に多忙って訳だった。
他の動物に比べて人の幼児はか弱く、一人前になるのに年月が要る。 育児という人類に一番重要な任務を担う方の性が、担う頻度が少ない性よりも「賢く、優れる」ようになるのは、不思議ではない。体力の面でも丈夫で、平均寿命も男より長い。女の「格が上」で、私が「赤くなる」のは仕方のない事だ。
過去の歴史だけでなく現代でも、世界は男が権力を握り政治の面でも経済の面でも支配していて、「男優先の社会」が当たり前となっている。けれども政治の世界に関して言えば、優れた資質と人の格の面から見て、女の方が適していると私には思える。
我が国でも世界でも、少しづつ国や自治区のリーダーとして女性の数が増加はしているが、これからも政治は(どちらかと言うと)「女に任せた方が良い」ようだ。お母ちゃんに任せるのだ。
国の指導者だけに限らない。規模の小さな家庭の統治でも同じ事が言える。伝統や文化が邪魔をして、「尻に敷かれている」とか「カカア天下だ」とかからかわれるのは、男の沽券に拘り、情けない亭主の見本みたいな言われ方をする。が、私はそうは考えていない。
家庭が最も上手く行く為には、無論奥さんの性格に拠るところも大きくはあるが、基本的に「亭主が尻に敷かれるのが一番」で、これを強く勧める。
先に「そら、エライコッチャ!の話」を、このシリーズの第一話に書いたが、その内容と同じ。おしゃべりな奥さんの言う事を、ピリオドまで含めて最後まで聞きなさい。会社で「鬼か蛇か!」と社員に言われるが、私は家の玄関を一歩跨ぐや、借りてきたネコみたいに従順になる。変身だ。社員の誰もが信じないがーーー。
けれども不幸な事に、この「切り替え」が上手に出来る男は「極めて少ない」。会社で部長の人は、家に帰っても「部長のまま」の積りだ。不器用で愚か。何故「切り替え」出来る男が少ないのかって? ウフフ、身の周りを見まわして御覧なさい、歳が入っても「赤面症」の男は世の中にそんなに沢山はいないって事!
平均寿命も短いのだから、政治の世界以外の「半端な遊び事」だけを、男に任せておけばよい: 会社の経営(=競合者を倒すワクワクする戦争ごっこ)や、恐竜の発掘(=何時までたっても子供みたいな遊び)や、ノーベル賞受賞ごっこ(=自分の子供を眺めるより、例えば、宇宙の果てを眺め暮らすのが三度のメシより好きな遊び事)をさせておけばよいのだ。政治は、女に頼もう。
(年中遊び事をさせて貰えるのだから、それを思えば)赤面症になって「尻に敷かれよ!」 そうすれば、離婚は確実に減る。保証するよ。
完
比呂よし
つづく 明日の予定
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