子供みたい
＋＋＋＋＋最近では、若い男に私はこう忠告する事にしている：「年齢差は、少なくとも二十は開けよ。つまりだ、男は四十過ぎまで結婚するんじゃないよ！」
４．子供みたい
女は何処か「芯が座っていて・しっかりしている」。幼稚園で男の子が怪獣で遊び電車ごっこしている時代に、彼女達はおままごとで家庭の「経営」を論じている。男が敵わない筈だ。
例えばこんな事があった： 女友達の「３３バツイチ子持ち昆布」へ、「君は若いのだから再婚すればいいじゃないか」と言った事がある。 この時「再婚しない」と言下に応えた。気負いのある調子ではなったけれども、本当に「しないだろう」と思わせた。「そうねえーー」という逡巡が無かったからだ。
「子持ち」のハンデがそれ程再婚の障害になるのかと、私は最初怪しんだが、実はそうではなかった。話を聞いて、男の視点とは違うと思った。野生動物の世界では、ハーレムを乗っ取ったオスは、前のオスとの間に出来た女の子供を必ず殺すという。人間の世界でも似た事件が無くはない。彼女の様子には、そんな事情を呑み込んだ上での「動じない女」を見る思いがする。
これと反対に、もし「３３バツイチ男」なら、これは推測だが、子供の有無に関係なく「俺はもう結婚はしないよ」と答える男はめったに居ない気がする。芯が坐わらないのだ。歳に二倍以上の開きがありながら、私は「３３子持ち昆布」に敵わないと思い、概してこんな時赤くなってしまう。
勿論女だって、「そうねえ、いい人でもおれば再婚したい」と言う人は多い。それを責めはしないし、むしろ自然と思う。ただ私が言いたいのは再婚について：「二通りのチョイス」を女は用意してあるのに、男は一通りしかない気がする。「一般論としても」男女間の考え方の差は大きいと思う。女は子供の事を何処かで何時も考えているが、男は自分の事しか考えない。配偶者に対してだけでなく、若い「子持ち昆布」に対しても強い畏敬の念を持つのは、人間の格として私が敵わないと思うからだ。
下の者には目上の人の心は判らない。 例えば、大人には子供が何を考えているか判るが、子供には大人の心は判り難い。女と男の関係もこれと似て、男には女心は測り難いが、女には男が何を考えているのか大抵判るに違いない。そう言えば、「男の浮気は直ぐバレるが、女は絶対にバレないーーー」と、何時か「３３子持ち昆布」が豪語していた。
女が男を評して「男は幾つの歳になっても子供みたいーー」と笑うのは、なかなか大人になり切れない男の未熟さを指摘しているようだ。
