追いつけない
++++つまりは、数式が分かるのだから頭脳も優れているに違いない。証拠に、山奥まで探したが、「赤くなる」男でバカなのは一人もいなかった。
4.追いつけない
一般に「女の子の方が男の子よりもおませ」とか、早熟と言われる。 これは女が男より「格が上」と言うのと同じ。人として格が上か下かは、ノーベル賞の多寡で判断すべきではない。それは(女の子よりも)男の子の方が幼稚園で「怪獣ごっこ」して遊ぶ率が高いというようなもので、それほど意味のある事ではない。
結婚する時に、私がわざわざ七つ年下の配偶者を選んだのは、女を「偉い存在」と無意識に意識していた為だ。七つも年が開けば、幾ら女が偉くても到底こっちには「追いつけない」。その方が、生涯付き合い易いと思った。 誰だって目上の偉いお方と付き合うより、同級生ランクかそれ以下の友達の方が「気が楽」だ。
世の中には、反対に敢えて「年上の女」と結婚する例外もいる。これは女を「更に最も正しく」理解している男で、女へ敵するに「到底敵わない」と初めから観念している。女から見れば、「赤面症」以上に数少ない高級品の男と言える。男女の平均年齢の違いからしても、自分の死を看取ってくれるから、女には掛け替えのない魅力と映る。
一般に男が年下の女を選ぶ時の「年齢差」こそが、取りも直さず人間的な「格の差」という気がする。これで男はやっと女と同等に立てる。けれども、男の魂胆は大抵外れる。
慎重に差を付けて選んだ積もりでも、あにはからんや、女は「想定以上に成長が早い」から、結婚後たちまち男に追いつき、やがてウチの配偶者みたいに、「ついにヒーチャンを追い越したわ。私の言う事を聴きなさい!」となってしまう。昔話の兎と亀の競争みたいで、なかなか上手く行かないものだ。
これを教訓に最近では、若い男に私はこう忠告する事にしている:「年齢差は、少なくとも二十は開けよ。つまりだ、男は四十過ぎまで結婚するんじゃないよ!」




