表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/1603

男の寡黙

2.男の寡黙


 女に比べて、一般に男は口の重い人が多い。人類進化の歴史が関係していると読んだ事がある。太古の昔、マンモス狩りが男の主たる任務だったから、大声でしゃべっていては獲物を取り逃がしてしまう。


 しかし寡黙だからと言って、男が女よりも決して上等な訳ではない。確かな事の一つは、断じて男は下等で獣( けだもの)だという事実だ。というのも、聞いているのは殆ど上の空だが、女のおしゃべりの最中に男が考えているのはこんな事:


 大抵はぼけっと何も考えていないのだが、これは男が無能のあかしだ。無理に思考するとすれば、自分が男だからこそよく判るが、このおしゃべり女を裸にすればどんなオッパイをしているのかなとか、今日のパンツは何色かな、と良からぬ妄想を逞しくする程度。寡黙で助兵衛な男より、おしゃべり女の方が明るくて、人間として余程健全な高級品だと思う。だから私が女を好きなんだろう。


 男はそんな助兵衛な生き物だが、天然自然に寡黙にしていると、しゃべらないというだけで、女から見れば「怒っている」風に見えて、「有罪」のレッテルを貼られてしまう。時々そう指摘されるから、「いや、そんな事はない、何も怒ってやしないよ」と弁明しても、女は信用しない。「いや、ヒーチャン(=恥ずかしながら私の名)は怒っているに違いない!」と決め付けられてしまう。


 自信有り気にそう言われると、案外そんなものかなと、こっちもそんな気になって怒りたくなる。 夫婦関係の維持の為に、それではいけないから誤解を解こうとして、仕方なく女の話の途中で、アーとかウーとか相槌の積もりで、一言二言有り合わせの言語を発してサービスに努める。「怒ってないよ」の意思表示の積もりで、眼だけで笑う練習もやった。そんな様子に安堵して、女は一層勢いを増しておしゃべりになる。


これが一般的な女の特徴であり、男の対策である。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ