変化のスピード
12.変化のスピード
話していて「バツイチ子持ち昆布」の指摘にはしばしば虚を突かれるが、新卒の 「離職率の高さ」について、彼女流儀に見直せばこうなろうか: 入社は、本人と会社の間で暫く「同棲してから」、ゆっくり決めた方がいいわ。 予行演習よ※。そうすれば、XXX村のメスの「煙突キツネ」みたいに、動物と混同しなくて済む。
(※これをインターシップ制度というが、若者を一時的に企業が受け入れて勉強と仕事を並行して学ばせる制度で、ドイツでは割に普及しているようだ)
そうすれば、学校を出てから就職のチャンスはいっぺんこっきりと考えなくて良い。あらた優秀な若者が泣く泣く離職して人生を失う悲劇も減るし、結果として離職率も下がる。
けれども、私の考えはインターシップとは少し違う: だからと言って大した事ではないのだが、会社側の立場から言えば、現在の 「法で定める」試用期間たった14日間は如何にも短か過ぎる。これを、少なくとも「一年間」に延長すべきだと考える。インターシップ以上の効用が期待出来るし、会社と新入社員の間で、お互いをもっと真剣に見極められる。入社してからインターシップをやるようなものだ。
そうなれば雇う会社側も、もっと気軽に新卒だけでなく、中高年も含めて中途採用の数をも「勇敢に」増やす事が出来る。今の14日間は雇用する企業の人事担当者を「臆病に」させている。一旦正社員として雇用すると、(14日間が過ぎて)16日目に「酷いカスを掴んだ」と分かったとしても、現行制度では容易にお払い箱に出来ないからだ。
たった2週間程度で人を見抜く事は出来ない。結局、最悪裁判となる。全く酷いのを入れて数か月後に解雇した事がある。ウチは最高裁まで争ってとどめを刺された苦い経験があるから、これを言う。
先の改善で、会社は人をどんどん雇えるから、初期に就職に失敗した若者を救うチャンスも増えるし、中高年というだけで顧みられない失業中の優秀な人材を、埋もれさせる事も少なくなる。それを、労働者の権利とか人権問題とか言って、問題をすり替えるからいけない。
雇用する側の立場になって見れば、改善すべき社会の仕組みと法の矛盾が良く見える。それらの改革や社会の古い意識が、若者の「高い離職率」や「中高年の就職難」という時代の変化に追いついていない。が、ここは法律を論議する場ではないから、この辺りで止める。




