絡みつく
9. 絡みつく
禁欲に若い肉体は反乱を起こす。昼間に綺麗な女の子を眺めて,ひそかにパンツにテントを張る位では追いつかず、ついに夜中に邪悪な夢を見て布団の中に大量の 「虫」を発射してしまう。男の子は困るんだよなあ、コレ。女の子(=大人の女も含めて)は夢にも知るまいが、中・高生の男の子は三日に一度夢の中で女の子に汚れ物をぶちこんで強姦を楽しんでいる。夢精というやつで、無理な禁欲に肉体が抗議している。
男なら誰でも知っている「自然が呼ぶような現象」だが、学校の99%の女先生も母親でさえ、こんな現実を知らない。イヤラシイの一言で、ふたをしてしまう。
先の「バツイチ子持ち昆布」に(自身が高校生の頃の)「女の子」としての見解を訊いた処、ニヤニヤしながら、当時を振り返りながらソクラテスみたいに弁明した:
「高校生の女の子は、電信柱みたいに誰にも絡みつかれたくはないわ。男の子みたいに野心をたぎらせて邪悪な夢は見ないし、性欲はまるで希薄で平和だったよ」
「ふ~ん、そんなものかな?」
「箸が転んでもおかしい年頃で、他に面白い事がいっぱいあった時期だもの。 ただ、自分の好きな男の子が「せがむ」から、情にほだされて「絡みつかせて」上げたのよ。そうしたら、バッタみたいにぴょんと飛び付いたわ」
「バッタねえーーー」
更に女は、
「自分は特に情にほだされ易いタイプだった」と告白して、バッタに対して思いやりの深い自分の利他的行為を強調した。
さらに付け加えて:
「でないとーーー、好きな男の子が外の(絡みつかせてくれる)ブス女へ行ってしまうから仕方なかったのよねえ」と、本音も白状した。
性の低年齢化は、「邪悪で・我が儘な」バッタに「せがまれ」て、女の子が「押し切られる」構図らしい。そう言えば今の歳になっても、私は「我がままのまま」であるからして、付き合ってくれる「バツイチ子持昆布」の強調する処は現実と整合性がある。私はきっと「絡みつかせて貰っている」に違いない。毎回一心不乱に「せがむ」から。
男の子の絡みつきたい衝動か、女の子の利他的行為かはさておき、セックスが人の根源的な営みであるのは間違いない。早めに学ばせるのは、人生にそれ程悪くはあるまいと思うから、高校生になったらこれを期に(家でヤリなさいと)「解禁」してはどうだろうか? さほど心配する必要は無い、と私は考えるようになった。「バツイチ子持ち昆布」に知恵を付けられたようなものだが、彼女の先進性に感心するばかりだ。