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やってみる

4.やってみる


 結論を先に言うと: 配偶者の太鼓判通り、どのケースでも私は出世出来なかったろうと思う。当時所属のA課だけでなく、他のB課でもC課でも、更に会社を変えてもダメだったろう。これが仮定の世界だと判っていても、何か情けない。


 若い頃の私は割とクソ真面目な人間で、「女も仕事も生きるのも、適当にやればよい」というタイプではなかった。出世へ強い願望を持っていたのは事実だったが、どう考えても私が出世出来る「タイプ」でなかった、と今になって思うからである。


 じゃ、どんなタイプだったら出世出来たろうか? 厚かましいと言うか人は自分勝手なもので、「今の私なら」このまま歳だけ若くして同じ元上役のところに再度据えられれば、私はきっと出世出来たのじゃないかという気がする。社長になれなくても、余裕を持って部長位いにはなれたーーー。

 それはズルイ、後からなら何とでも云えるから、後出しジャンケンと同じと云われそうだ。が、私の考えは少し違って、部長まで出世出来ると考える根拠は、こうである:


 まず、当時とは違って今の自分は、「出世レース向き」へ体質が変化しているからだ。 ダッシュで走れるように足腰にバネもあり、舌だって天麩羅を食べた以上に良く回る。人をたぶらかすなんて朝飯前で、今ならどんな上役も説得出来そうに思える。

 年を経て人間がスレたからというより、「出世向き」に中身が変ってしまったからという気がしている。人は「化学変化するもの」なのである。


 例えば「今の私なら」、自分の上役が不充分だと思えば速やかに見限る。それでも、行動は昔とは違う。自分の出世に役立ちそうな、そしてその人自身も出世しそうな有望株の、別の上役を見つけて直談判に及ぶ:「貴方の下で働かせて欲しい」


 説得を試み、頼み込む。無論社内ルール違反は百も承知で、願いが叶えられるとは限らず、むしろ実現の可能性は低いかも知れない。 が、ダメモトで「やってみる」。この「やってみる」のが大事だが、「やってみる」人は少ない。実は少ないから、世の中には出世する人が少ない訳で、即ち「少ない」事に意味がある。


 冒頭でサラリーマンは「上役を選べない」と書いたが、実はこれはウソ。やろうとしないだけの話で、本人が「選ぶ」ように行動を起こさないからだ。長年掛けて私が会得したのは:


①「人生とは、(上役ではなく)自分が創り上げるもの」であって、

②その為に「頼りになるのは(上役ではなく)自分である」筈で、誰かの「引き」ではない。悪い事があるとすれば、それは他人や上役のせいでなく、自分自身だ。

③「自分が自ら行動を起さなければ、人生は何も変わらない」


 だから出世したければ、「やってみる」をやらなければならない。この思考方法は、他人をあてにしないから少々世知辛いが、自立心を養ってくれる。 出世したい向きは、この流儀を覚えておいて朝晩おまじないに唱えれば、生涯の宝となりましょうぞ。


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