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第六百二十四:泰子さんの話(521) ★ボランテイア(2)

第六百二十四:泰子さんの話(521) ★ボランテイア(2)


 対して、私も泰子さんのお世話をしたり、その友達のお婆さんのお手伝いもやっている。外にも私の昔の初恋の人(83)に対しても何がお手伝いが出来ないかと模索している。本人は認知症で私の事などもう記憶に無い状態だが、施設への入居金の一部でも負担したいと考えている。見返りを求めていないから、言えば、これが私のボランテイアの積りである。

   

 このようにボランテイアと言っても、不特定多数の人々に対する奉仕と、自分のごく身近な特定の人たちを選んで提供する奉仕の二種類がある。どちらが偉いという訳でもないと思うが、前者は人類愛に近い。個人的な繋がりや触れあいと言う面では当然後者の方が強い。


 エンジニアのクセで、自分は人嫌いであると昔から主張している。数学や製図が恋人である。そうは言うものの他方で、人と毎日接するのが仕事だったセールスマンとして、昔日私はそこそこ成功した。そして今や泰子さんやそれに関係する人たちへ積極的に親切を提供して、人と触れ合っている。それらが少しも苦になっていないのは不思議だ。もし人を好きでないならば避ける筈で、そういう事は出来ないだろう。


 口で言うのと反対に、本当は自分が「人をとても好き」な為かと思ったりする。多分、そうなのだろう。己を知るというのは、案外難しいもののようだ。


お仕舞い

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