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第六百七:泰子さんの話(504) ★発明の話(8)

第六百七:泰子さんの話(504) ★発明の話(8)


 D製品が初めて出来た時、外形が平凡な丸型だった。が、「これでは如何にも人目を引かない」という理由で、ケバケバしく六角形に変えたら抱き付きたいほど魅力的に見えた。よって、特許は六角形で申請した。六角形のワシャなんて聞いたことがない、と特許庁の審査官が言ったとか言わなかったとかーーー。


 発明は未だ終わりでは無かった:「人間の作るものにパーフェクトなものは無く、必ず欠点や不充分な処がある」と先に書いた。この原理を既に開発した新製品Bに適用してみた。Bを睨みつけじっと凝視した時、果たしてやっぱり欠点を発見した。これを改良したら、別のものとなり新製品Eが出来た。


 A~E製品の発明は面白いし、簡単だと判って頂けたかと思う。一つの製品を開発すると、それが次の製品開発のヒントとなり、開発済み製品の欠点を探していると、さらに次の新しい製品開発のヒントとなる。ズルズルと芋づる式である。発明が「偉いなあ」なんてウソだ、イモだ。


 このように、ある日天からヒラメキが落ちて来て発明に繋がるのではない。日頃の自分の仕事を眺めていて、そこで発見する些細な疑問や問題を見逃さず、解決する思考が大事だ。発明は決して特定の人にしか出来ないという「怪しげな」特技ではなく、根気さえあれば誰にでも出来る。この為には自分の仕事に日頃から真剣に身を入れて立ち向かう姿勢が大切と思う。そうすれば自然に「欠点が目について」発明に繋がる。


 老婆心ながら、幾ら好きでも奥さんの顔をじっと眺めるのだけはよした方がよい。欠点が目について浮気に走る発明に繋がっては大変だ。眺めるのは相手からも眺められるのと同じ。欠点を発見するのは奥さんの方かもしれないから、もっと大変になるよ。


お仕舞い

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