表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1634/1652

第六百四:泰子さんの話(501) ★発明の話(5)

第六百四:泰子さんの話(501) ★発明の話(5)


 私は疑問を持った:市販の全く同じワシャを使っておりながら、どうしてナットと一緒にワシャが「連れ回る時」と「連れ回らない時」が起きるのかと疑った。こんな言葉をご存じだろうか:「正しく提起された問題には、既に解答の半分が含まれているものだ。」 私は半分の解答と残り半分の解答を追求する事にした。殺人事件を追うベテラン刑事みたいなものだ。スリラー小説が好きな人は、刑事か発明家になるとよい。

  

 ワシャは安いものだから、1~3mm厚さの薄い鉄板をプレスで丸く打ち抜いて、何百・何万個と大量生産で作られている。それぞれ同じで製品に形の違いや個性は無かった。それぞれのワシャの表面を詳細に眺めたが、差異は見つからなかった。


 全く同じものだのに、どうして機能に違いが起きるのか? そんな筈はないと思い、連れ回らなかったワシャばかりを集めて、老眼鏡をかけ替えて更によくよく凝視した処、ワシャの表面に僅かな毛ほどの突起を発見したのである: ワシャの裏面(=床に接触する側)に、プレスで抜いた時に出来る微細なダレ(=カエリやバリとも言う)気づいた。後から考えて、この発見こそが運命の星の輝いた瞬間であった。


 そうだ、ワシャの裏面にバリを付ければ良いのだ! 


つづく


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ