表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1633/1651

第六百三:泰子さんの話(500) ★発明の話(4)

第六百三:泰子さんの話(500) ★発明の話(4)


 次に発明のもう一つの手法がある:

 ナットを回して締め付けると、座面(=床面)に大なり小なりこすり傷が付く。塗装した床面なら、塗装が剥げてしまう。これは当たり前。普通は少々くらいなら床面に傷が付いても許容される。けれどもある時、社内で非常にデリケートなボルトの締付け実験をやらなければならなくなり、ナットによって床面にこすり傷を絶対に付けたくなかったのである。


 解決方法として、ナットと床の間に丸い市販のワシャを入れた。これで床面に傷が付かず解決した。なぜなら、ナットはワシャの表面を擦るからワシャ表面に大きな傷は付くが床には一切付かない訳だ。しかし、「解決した!」と喜んだのは束の間。


 確かにこれで問題の70%は解決した。が、残り30%は解決しなかったのだ。解決しなかった30%は、ナットを回して締め付けると、「ナットと一緒にワシャが連れ回った」からだ。あにはからんや、こうなるとワシャが床を擦るから床面に傷が付いたのである。


 言い換えれば、同じ市販のワシャを使っていながら:ナットを締め付けた時にワシャが連れ回らない時(70%)と一緒に連れ回る時(30%)があるのだ。なお、一度締付けに使用したワシャは使い回しをせず、実験の都度新しいものと取り換えてやっていた。ワシャなど安いものだったから。


つづく


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ