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第五百七十三:泰子さんの話(470) ★社歴(11)

第五百七十三:泰子さんの話(470) ★社歴(11)


 (ノウハウなので、これ以上の詳細を述べる訳には行かないが)教えられた時、A製品の特異性を心底正確に理解した。例えばウチの会社に当てはめて解釈すれば、放って置いてもウチの営業マンのC君とD君には沢山売れるが、E君とF君ならば逆立ちしても売るのは殆ど不可能であると知った。不思議に思うかも知れないが、A製品は取り扱う「営業マンを選ぶ」のである。


 同時にこうも考えられた:日本の同業他社には、(その気になっても)この製品は売れまい。なぜなら、そこの営業マン達はE君やF君タイプばかりだからだ。会社のシステムがそうなっていたからで、売ろうと思えば会社を変えないといけないのだ。

   

 話を戻して、さてここで、もし私が人より優れた処があると見て呉れるなら、次の点だろうか: 


①市場調査無しにS社と技術提携を決断する合理的な思考の方法を採った事。


②これが大事と思えば(年齢・立場に関係なく)自らが動き、未知の分野の勉強を厭わなかった事。


③次に、A製品のマーケテイングの特異性を見極め、工夫して社内の従来のやり方と同化させた事。この工夫は、むしろ先輩のS社のやり方よりも優れていると、私はそう考えている。


 因みにそれから20年後の現在、このA製品の事業は会社全体の売上の約30%を占めるまでに成長した。国内でNo.1の販売シェアを有している。皆無という訳ではないが、多分、No.2のメーカーは殆ど無いに等しい。58の時に神経質なパラノイアが気付き、S社と結んだ提携は会社の戦略転換点だった事になる。  


つづく

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