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第五百六十九:泰子さんの話(466) ★社歴(7)

第五百六十九:泰子さんの話(466) ★社歴(7)


 さて、それら政策を実施するに当たって、ドイツ親会社の説得を含め激しい風当たりとストレスを私が正面から引き受けたが、配偶者が側面から助けたのは大きな支えになった。銀行さえ潰れた不況下にあって、売上総額こそ落ちたものの、会社はちゃんと利益を確保したのである。


 レンタルと言う新たなマーケットを創出して、振り返ってみればバブル崩壊と言う危機的な大波があったればこそ、これが後の会社発展の原動力となったのは確かで、災いが福と転じたと噂を聞けばそれはウチの事だ。

      

 さてそれはそれとして振り返って、ここで(経営上大切と考える)もう一つのエピソードを紹介したい。違った角度からのアプローチで、これはバブル後不景気の事件とは無関係である: 58の時で、この年齢に注目して欲しい、もしサラリーマンであったなら定年間近である。会社は不調でもなく、むしろまあまあ順調であった。


 けれども、潰れはしないが「このままでは、会社に明るい未来がない」と感じたのである。感じ取る鋭敏な目はパラノイア特有の神経質の表れである。感じたら、そのまま目をつぶって放置は出来なかった。これを50を超えた60以下の「若い人」に教えたい。


 58の時アイデアを求めて、ドイツハノーバーの国際見本市へ一人で出かけた:そこでボルト締結に関連した製品Aを見つけたのである。実はAの類似品について予備的な知識はあり、しかし日本国内では「売れない・売れたとしても大したことにはならない」というのが、私を含めた業界人の間に定着した常識であった。自動車が走る道路でリヤカー(=昔の荷車)を引こうかと言うような、否定的な製品であった。


つづく

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