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第五百六十五:泰子さんの話(462) ★社歴(3)

第五百六十五:泰子さんの話(462) ★社歴(3)


 部外者がウチ一社だけを眺めておれば、ノンビリした会社と見えるかもしれないが、その実業界の内幕はすさまじい殺し合いの場だ。

   

 銀行筋などから、経営ぶりを眺めて褒められる事がある。本当は、しょっちゅうあって、合わせて100回位ありそうだ。外部から観たら「一体どんなノウハウがあるのだろう」と思うらしい。独創的で類例が無く、キラキラと輝き、よく観たら気違いと紙一重の経営者かも知れんーーー、と期待するのだ。

 こうした人たちの好奇心を満たすのは難しい。なぜなら、私は当たり前の事(と思う)しかやって来なかったからだ。


 当人に確たる自覚がないながら、他の上手く行かない会社から見れば、ウチのどこかに(経営上)優れた処があるのだろうとは思う。会社を経営していると、例えば様々な問題に遭遇する。大きな事件に遭遇している最中は、課題の解決の為に一所懸命な訳で、時に死に物狂いで、経営の名人芸を格好良くやろうなんて気取ってる暇はない。当たり前だ。


 ここに紹介するのは、一見して当たり前に見えて、如何にも理論整然・初めから数式の如く解決方法が私に分かっていた風に見える。けれども実際の処は、当時はそれが正解だなんて分からず、めくら滅法しっちゃかめっちゃかやっていただけで、後からゆっくり分析して「なるほど、そうだったかと正解として思い到った」屁理屈みたいなものだ。


 正解かどうかは歴史が判断するとよく言われるが、その通りで、先に行動して後から反省したような訳で、案外世の中はそんなもんじゃなかろうか。世で華々しく成功した人の多くは、大概そうしたもんだと私は思っている。皆お前とおなじようなら、世の中に「偉い人」として尊敬出来る人は誰も居なくなるじゃないかと言うかもしれないが、人は皆似たりよったりなものと私は考えている。 


 つづく


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