第五百六十三:泰子さんの話(460) ★社歴
第五百六十三:泰子さんの話(460) ★社歴
ウチの会社は1984年10月の設立(=筆者43の時)なので、今年で41年となる。新規スタートアップの多くが設立10年以内に消えると言われるから、頑張った方だ。自慢じゃないが、設立以来一度も赤字を計上した事はないし、社員達の賞与がゼロだった事も無い。
話が変わって、聞くところによれば2023年の調査で、社歴100年越えの老舗会社の倒産は年間108件だったそうだ。それらに比べたらウチの社歴は半分以下だが、規模の小さい業界ながら一番古い。けれども社員数15~30名の範囲内で増減しながら、設立から今日まで「小さな会社」であり続けている。「ウチは、株式を上場する程の二流会社ではない」と外向けにうそぶいているが、これはむろん負け惜しみである。
負け惜しみ序に言えば、実は当初から(そんな機会が過去に有ったとしても)ウチは上場しなかったと思う。訳の分からない他人から経営に茶々を入れられるのが、元々嫌いだからだ。上場は一挙に大金持ちになる早道かもしれないが、それが目的ではなかったし、人生が金だけではないのを若い時から分かっていた。また起業に対して何か大義名分や社会的な使命感を持っていた訳でも無かったからだ。
となれば、負け惜しみでなく、本当に上場に大した意味が無い次第になる。大広間でなくても、一隅を照らすだけの会社で充分だ。
つづく




