第五百五十一:泰子さんの話(448) ★ボランテイアの話
第五百五十一:泰子さんの話(448) ★ボランテイアの話
私の叔母(=私の母の妹)である96歳の泰子さんのお世話をしている。
お世話といっても、週一で一緒に外食をする程度で、更に何か面倒な手続きがあれば代行して上げるだけだ。故郷の岡山で自分の夫と娘の法事をしたいと聞けば、(耳の遠い泰子さんの代りに)電話で寺院へ予約をして、新幹線に一緒に乗って同行する事もあるが、頻繁な事ではないからどうってことはない。
泰子さんは垂水にある高級老人施設Dに住居している。そこで、84歳の女性Tさんと親しくなった。泰子さんより一回り若いが、もっと若い頃に離婚して元々子供がいないので、完全な独身だ。長く神戸市職員の公務員として働き、出世はしなかったようだが、独身の気楽さで充分なお金が貯まったから同施設に入った。
一人で散歩中に前触れも無く突然倒れて無意識になった経験が切っ掛けで、歳を自覚して入居した次第だ。とはいえ、泰子さんより年齢が若いから、足腰はしっかりしている。
泰子さんと外食をする時に、泰子さんの希望でTさんも一緒に誘う事がよくある。これも何かの縁と思い「何か困りごとがあれば手助けするよーーー」と言って、Tさんへも私は自分の携帯電話番号を教えてある。
つづく
 




