表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1579/1657

第五百四十九:泰子さんの話(446) ★打ちこわしの話(2)

第五百四十九:泰子さんの話(446) ★打ちこわしの話(2)


 住む場所も替え、生涯に家も三軒建てた。これだけでも人並みでは無いが建てるお金があったからではなく、毎回配偶者が何処からか土地を探して来たから無理をして建てた。土地の狭さ広さに合わせてやったから、女が主導する設計はもう手慣れたもので、紀州日高町の農家の生まれだから、土地が無いと落ち着かないらしい。


 二度目の失業中に人生を持て余し、ドイツへ乗り込んで下手な英語を振り回した。ここで運をつかんで小企業の経営者。後年再度時間を持て余し、発明もやった。売れるかどうか未だわからないが、現時点で一所懸命である。


 密度から言うと、父よりは長い人生を生きた気がしている。それでも私達の人生が扇子みたいに「末広がり」になったのは良かったーーー、と配偶者は言う。まかり間違えば「ブルーシートの人だったーーー、そうならなかったのは私のお陰よ」と、配偶者は自分の功績をたたえて、社内に胸像を置けと要求している。


 中には辛くて泣けそうだった体験も数あったのは確かだ。一生の間によくあれこれ沢山やって来れたものと思う。話を聞くだけで人は疲れ果てるだろうし、自分も思い出すだけで目が回りそうだ。正直な感想は「人生は思っていたよりも、壮大に長い!」であって、決して短くはなかった。

 

つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ