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第五百三十五:泰子さんの話(432) ★墨東綺譚の話(6)

第五百三十五:泰子さんの話(432) ★墨東綺譚の話(6)


 ウチの夫婦の場合は幸か不幸か、組合せが美男美女ではなかった。どちらか一方がランク上と言うのではなかったから、これが為に「この辺りで手を打とうか」という不熱心な現象は互いに起きず、反って「どうしてもこれでないと、いけない」となった。歳は七つ違ったが、双方が同じ熱量を持って駆け上がったのである。


 本当の恋愛は勝手には盛り上がらないもので、互いの協力が要る。先の美形のケースの通り、他方が幾ら100℃の熱を上げても、片方がツンツンしていては成り立たない。本気で恋愛したければこの認識をしっかり持つ事が大事で、つまりは、恋愛はバクテリアのように放置して自然に湧いてくるものではなく、努力して作り出すもの。若い人には知らない人が多いから、教えておきたい。


 当初の段階では二人の間に熱の差が当然ある。熱が高い側(=我々の場合、筆者側だったが)が相手を「燃え上がらせる」為の努力を惜しんではならない。「好き」という以上の段階へ持って行く為に、手を変え品を変えて私は巧妙にやった、油を掛けて火を付けてじらせたものだ。

 ここは恋愛指南のページではないからこれ以上の深入りはしないが、そんな作戦があって初めて双方が「燃え上がり」本物の恋愛が実現する。


 大概の男は面倒くさがり屋で手を抜いてこの努力をしないが、この為に恋愛好きな女は不幸だ。恋愛は偶然の結果ではなく、男側の隠れた努力が存在するものだ。だからウチの夫婦の場合、(努力を殆ど必要としなかった)父母の見合い結婚とはかなり違うかも知れないとは思う。


つづく


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