第五百二十六:泰子さんの話(423) ★やりにくい話(6)
第五百二十六:泰子さんの話(423) ★やりにくい話(6)
世に優れた経営者というのがある:例えばユニクロの柳井社長・日産のゴーン元社長(=今や人気は無いが、私は人柄よりも力量だけを切り抜いて見るクセがある)・京セラの稲盛元社長などの例がある。外にも沢山いる。これらの人が(前任の経営者と交代して登場するや)会社を見事に立て直したり著しく業績を伸ばしたりした。こんな時指揮したり実行している大なり小なりの施策や言動が本人には当たり前で殆ど「自明」なのだが、第三者が眺めると、はてなぜそうなるのかと訳が分からない。
マジックみたいに見え、大学を優秀な成績で卒業したからでもなさそうだし、幼年時代から神童と呼ばれた訳でもなかったからだ。巷では理由づけに困って、偶然景気の波に乗ったからだとか、たまたま大きな注文が転がり込んでラッキーボーイだったからとか、進出先の店がうまく当たったからとか、様々に憶測される。全部外れ。
識者と言われる人に多いが、自分に出来ないくせにやっかみ半分と金を貰う為か、「あんな強引なやり方をすれば、そりゃあ誰だって、(成功)出来るさーーー」と無責任な評論をするものである。
こう考えれば案外と分る:成功した理由がもし「一般の人や評論家が分析してたやすく分るほど、それほど単純なもの」であるならば、評論家でもチンパンジーでさえ左前になった会社を経営し立て直せる訳になる。けれども現実はそうなってはおらず、ゴーンも含めて選ばれた少数の彼らがやったからこそ成功したのが分かる。その人たちの経営のコツは簡単に模倣は出来ないものだ。
つづく




