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第五百十三:泰子さんの話(410) ★負け惜しみの話(5)

第五百十三:泰子さんの話(410) ★負け惜しみの話(5)


 (父の話へ戻して)京都府立植物園・西宮の鐘淵機械・大阪の住友金属工業の工場を含めて、解決が難しい問題が幾つかあった。全国を対象とした補償課長会議にも何度か出席し、特に基地対策の処理については、「xxx(=父の名)」の意見は毎回議論の中心となった。数年後には「防衛庁大阪局内のxxx」の名前を知らないと言えば「そ奴はモグリだ」と、私は自らそう放言して辺りを睥睨していた。


 けれども何年か経って、見る人がそんな私を眺めていたら不思議に思ったに違いない: それぞれ重要な部署の課長を次々歴任し業績を残しながら、どうしてついに部長へ昇任しないまま退官したか。


 人生を運任せにしていた訳ではないが、その内自然に部長へはなるのだろうと、45を過ぎた辺りから自分では幾分か自信を持って居た。その後実際、部長へ昇進の話は数回あって説得もされた。一度目は52の時で総務部長から打診された:「ぼつぼつ部長になって貰いたいので、その前に次の移動で暫く呉局(呉市)へ転勤して欲しいのだがーーー」


 「一旦事前に何処かへ移動する」のが昇任前に必要な役所の伝統的な手続きと分かっていた。が、私はこれを殆ど即座に辞退した。総務部長は「移動は二年とは言わない、一年位で大阪へ施設部長として戻って貰うから」と重ねて説得してくれた。それでも断った。昇任を辞退したのと同じだ。


つづく

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