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第五百十二:泰子さんの話(409) ★負け惜しみの話(4)

第五百十二:泰子さんの話(409) ★負け惜しみの話(4)


 「忙しい!」というのは日常当たり前にかつ手軽に多用される言葉だが、働いた経験が全く無い人には「忙しい」という概念は、さっぱり分からないものだ。社会に出て金を稼ぐ為に「仕事」をやり始めて、「忙しい」の意味を私は初めて理解した。が、私が正しく理解してもこれを母に説明するのは極めて難しかった。


 因みに三省堂の「新明解国語辞典」で引いてみると:「忙しい」とは、急を要する「仕事」に追われて「くつろぐ暇」がない状態、と書いてある。つまり「仕事」が第一のキーワードだから、仕事をしない人には意味が五里霧中と言う訳だ。又そう無理に説明をされたとしても、母にしてみれば「くつろぐ」とは一体どんな状態か??と再度不思議がった事だろう。なぜなら一分一秒何時でもくつろいでいるから、「くつろがない状態」がどんなものか想像出来なかった。


 人は何気に言うが「忙しい」とか「くつろぐ」とは、非常に高度な概念だという気がする。幾ら賢くても、到底サルには分かるまい。サルは仕事をしないからだ。結婚生活は、人生の中で一番教育的な要素をもった互いの学びの場である、という言葉がある。母に対して、「忙しい」意味を最も分かり易く説明すべき義務が父にはあったろうと思う。教える事によって父もまた何かを学んだ筈だ。


つづく


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