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第五百七:泰子さんの話(404) ★本箱の話(4)

第五百七:泰子さんの話(404) ★本箱の話(4)


 案外人は気付かないがこんな事も言える: 仮に200ページの本を読んでも、本当に自分が知りたかったり感動したりする部分は、経験的に数ページに過ぎない。数ページにまとめられると言っても良い。


 大抵の本の構成がそうなっているが、著者は読者を本の世界へ導くために、或いは内容の理解を促す為に序説を述べたり、長々とイントロの説明を加えている。小説であっても大体そうだ:xxxとzzzとyyyの状況を何ページにも渡って説明し、ついに「彼女を好きになった」となる訳だ。結論は9文字だ。

 けれども必要な手順で、これがないと読者は内容を速やかに理解出来ないからだ。けれども、これらの部分は(読み始める時こそ必要不可欠だが)本を読了してしまえば、大抵無駄で忘れて良い部分とも言える。


 これを考えると、本の内容からイントロを省いて凝縮した結果だけを数行でメモるのは大変合理的だ。この習慣が身に付いて私にとって読書の生産性が高くなり、ひょっとしたら自分を以前より賢くしてくれるように思う。

   

 一方で逆説的な言い方をすれば、本を物理的に棚に保管する行為には一つの欠陥がある: 読んだ内容を忘れても「本がそこにある」からと何となく安心して、再読する機会が無いくせに分かった風な気分になってしまう事だ。内容を自分の頭に保管する代わりに、棚に「預けている」わけだ。預けっぱなしで頭の中ではスッカラカンになり勝ちで、身に付かない気がする。


つづく

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