第四百五十八:泰子さんの話(355) 新人が辞めた
第四百五十八:泰子さんの話(355) 新人が辞めた
先のエッセイでも既に紹介したが、身長の高い29の新人女を雇った。3ケ月を掛けて大いに訓練したのだが、3ケ月が経った処で、「突然」辞めてしまった。とても残念である。以下は、その時に私が彼女宛てに書いた説得のメールである。
MKさんへ
以下の貴女の個人メアドが未だ有効だと思い、メールします。
xxxxxx@gmail.com
*
今朝出社し、退職届が私の机の上にあるのを見て、とてもびっくりしています。
昨日厳しく注意しましたが、注意は注意として貴方を解雇する積りは1%もありませんでした。「今も」ありません。注意するたびに社員が辞めるなら、上司は注意する事すらできません。そうではありませんか?
注意するのが上司の仕事みたいなものです。昨日は話の途中で、問答無用の形で貴方が応接室から飛び出した時には、びっくりしましたよ。殺す訳じゃないのだから、そんなに慌てる事は無かったのじゃありませんか!?
★MKさん、冷静になって再考する余地はありませんか? 今も貴方の復帰を待っております。
貴方は少しばかり考え方が「自由過ぎた」ようですね。会社支給の安全靴の踵を踏んでスリッパのように履くことが常識だと考えている。注意をすると、些事を生きるか死ぬかの大事のように思ってしまう。そして直ぐに泣きながら「解雇せよ!」と叫んでしまう。何でもたちまちそこへ直結し、感情の起伏が激しい。今回だけではありませんでしたね。
★けれどもーーー、そんな欠点を補う以上に「貴方の才能」を高く評価しております。
つづく




