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第四百五十三:泰子さんの話(350)  飛行神社の話(父の手帳から)(6)

第四百五十三:泰子さんの話(350)  飛行神社の話(父の手帳から)(6)


 けれどもーーー、間もなく二宮さん宅から引っ越しをした。仕事場に一層近い淀駅近くの閉鎖になったダンスホールのダンサー達の宿舎だった処の一室を借りた。自炊になった。敢えて二宮さん宅を引き払ったのは、若い時代の自分の潔癖感と日陰めいた生活を続けても実りの無い将来を漠然と考えたから、だったと思う。


 当時は第二次世界大戦勃発の数年前で、世の中は暗い不安な日々が続いていて、街中のカフェーや遊興施設は軍部によって全て強制的に廃業させられていた。先のダンスホールの閉鎖もこの為であった。そんな時代の中、仕事も大同電力から兵庫県庁の電力部へと転任となり、約2年の後に結婚した。結婚後間もなく開戦となり、そして敗戦。


 戦争中は、若いながら兵庫県庁内の重要な仕事を任され、たった一人で振り回された。人も居なくなったからだ。電力会社は統合されて関西電力となり、建物疎開や地下工場の建設など、自分はエネルギー関係の調整担当者として忙殺された。これは戦時中で案外重要な仕事だったのだろうと思う。というのも赤紙(=召集令状)が(不思議な事に)自分には来なかったからだ。実際県庁内で電力関係の仕事をまとめていたのは自分一人で、もし兵隊に取られてしまえば、大きな支障を来すと見られていたのだろう。


つづく

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