第四百四十二:泰子さんの話(339) トランプ関税(4)
第四百四十二:泰子さんの話(339) トランプ関税(4)
「選択と集中」と「特定分野に依存しない(=集中しない)」の二つの経営手法は、互いに正反対である。正反対でありながら、両方とも正しい処が面白い。前者はエネルギーを一点に集中しないと物事は成功しないぞと言い、後者はリスクを分散させて多角化しないと潰れるぞというものだ。経営者は二つの間を上手く泳がないといけない訳で、会社の経営が難しいのは実はこの点で、その能力を問われる。
近代経営学では、資本効率が金科玉条のように信じられている:会社にお金を貯め込むのは愚かである(=無能経営者)とか、手持ち資金を年間何回「転がす」べきか(=資金回転率)とか、積極的な投資でM&Aで買収して成長するのがスマートと言われている。何か事があれば銀行やファンドから借りれば良いのだから、という。
そんな時代の中でウチの会社は「考えが古い」とされる。私達(=共同経営者である配偶者と私)は、先の世の流行を信じずにお金を「貯め込んでいる」からだ。そんなウチに言わせれば: 今日の日産自動車をみよ、東芝を見よ、セブンイレブンを見よと言いたい。超大企業なのに自立が危ぶまれるのは、経営者の無責任である。以外にも過去に多くの大企業が消えたり潰れたり底辺に沈んだ。ウチはそうならない。
つづく




