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第四百二十四:泰子さんの話(321) 経営者と歳

第四百二十四:泰子さんの話(321) 経営者と歳


 ウチの会社は約40年前に、私と配偶者が二人でスタートさせた。共同経営者である。だが双方が歳をとって経営上の言い争いが増えて、困ったものと思っている。端的に言えば(後継者へ会社を残そう考えて)、配偶者は規模を縮小しようと考え、私はむしろ拡大すべきと考えている。正反対だから、互いが衝突してしまう。


 会社の経営というのは大小に関わらず、決して易しい仕事ではない。大は今の日産自動車の苦境を見ても分かる。小はウチの事だが、順調な経営とはいえ、順調に保つのは難しいものだと思いながらやっている。


 順調な時は経営は誰がやっても同じと、一般に思われがちだが経営者の内実の努力は部外者には理解されないものだ。取った政策で何が良かったのか間違っていたのか、その都度迷いながら考え推し進めて行くのだが、何時も後になってみないと分からない。経営者は何時も不確定要素に囲まれて判断を迫られるもので、初めから正解が分かっている訳では無い。やることなす事が裏目に出ることだってある。

   

 経営の難しさを理解した上で配偶者が縮小を考える根拠は、次世代の経営者、即ち息子たちの経営能力に期待を持ってないからと言える。安全を図るために会社を(経営し易いように)こじんまりした規模に縮めてから移譲したいのだ。もし息子たちが聞けば気を悪くするだろうが。一種の親心なのだ。


つづく

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