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第四百二十一:泰子さんの話(318)  過去を捨てる(5)

第四百二十一:泰子さんの話(318)  過去を捨てる(5)


 昼食の為に目当ての店が閉店だったり、もし混んでいたりしたら、「臨機応変に予定(店)の変更」をするのは、むしろ普通の感覚である。けれども泰子さんにとって大事なのは当初決めた通り「お好み焼き」を食べるスケジュールをキッチリ実行しなければならなかった。決めた約束事を(臨機応変に)守らない「いい加減さ」を受け入れられなかったのだ。


 先に「臨機応変に当初の予定を変更する」のは「普通の感覚」だ、と一旦は書いた。けれども思考プロセスを詳細に眺めてみると、本当に「普通」だったろうか: 


 先ずお好み焼きの店の閉店を見た→非常に残念に思い→ しばし落胆した→ 開店時間が分らないから悩んだ→ お腹が空いている→ となるとますますお好み焼きを食べたくなった→ 開店を待つべきかどうか心中の葛藤が起きた→ 昼食に何か食べないといけない→ 他の店を探そうか→ いや、他に美味しそうな店が直ぐにあるのか→ 面倒だな→ 隣に立つヒロシは一体どう思っているんじゃろ?→ やっぱり探そうと決断した→ 隣接する別の店に入った。


 お好み焼き一つで、これだけ多くの思考とプロセスがある。私達は判断を殆ど瞬時にやってのけているが、もし先のファクターを順次コンピューターに入力していちいち判断を仰ぐとしたら、膨大な計算が要るのではあるまいか。しかも途中に(ヒロシはどう思うか・他の店が直ぐ見つかるかどうか)迷いの感覚もあるから、ファクターは不確定な要素の組合せだ。


 もしクジラやイルカなら、こんな判断をよう導き出せるかーーー? クジラから見れば、人間がスーパー神様に見える筈だ。


つづく

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