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第四百十二:泰子さんの話(309) 退屈じゃあ!(3)

第四百十二:泰子さんの話(309) 退屈じゃあ!(3)


 泰子さんが何かにつけ「退屈じゃ!」というのは、「人は(長生きしたけりゃ)退屈になってはいけんよ」という意味に、私には聞こえる。だからこそ、退屈を紛らせる為に、泰子さん(大した買い物をする訳でないのに)一人で地下鉄で大丸デパートへ出掛けるのを厭わない。嬉しい事に、新たに入所した施設Dでは、施設が上等なだけに専用のミニバスがあって、週一の定期運航で大丸デパート行がある。偶然のラッキーだった。


 更には、施設では早速「俳句会」へ入った。若い時に素養があった訳では無く、俳句なんて生まれて初めてである。実に本格的で一所懸命勉強している:「ヒロシ、字が大きな国語辞典を買って来なさい。幾ら高くてもよい」


 最初の句会で早速三首作ったが、一つが上位に入選したと言って、私へ大いに自慢した。そんな事より、96で辞書を引き引き勉強しようという心意気は、退屈を潰すにかっこうな生き方だと私は思う。泰子さんの長生きは、ピーマンを食べる事や蛋白質ではなくて、これではないか:「退屈を作らない事」


つづく

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