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第四百:泰子さんの話(297)  ひたむきに生きる人(2)

第四百:泰子さんの話(297)  ひたむきに生きる人(2)


 更に双方の共通点を挙げると、容姿端麗と言えようか。96の泰子さんを美人と称するには少し抵抗があるが、老人に有り勝ちな猫背ではなく見事に背筋がピンと伸びている。若い頃は飛びぬけて美人だった。新社員の女性も175センチと標高が高く姿勢が良い上に、顔立ちも悪くはない。


 美人という目印のお陰で二人共注目されやすいから、つい近づきたくなるが、近づきすぎると怪我をする事もある。怪我を避けて(私以外に)泰子さんを好きになる人は居ないようだ。例えば、私の配偶者は本能的に毛嫌いしているし、外の親戚の人も(お付き合いしたくないと考え)泰子さんを避けている。

 が、当の本人は案外それを気にしている風ではなく、むしろ「一人がすきなんじゃ」と言って孤高を楽しんでいるみたいだ。

  

 標高の高い新人女の拘りは精々「粉ものが嫌い・安全靴が嫌い」な程度だから致命的な毒性はなく、

証拠に事務所内では男子社員達から案外と好かれている。この点で泰子さんより遥かにましだ。但し、自分の方からは積極的には相手に近づいて行かないから、孤高な感じはする: 昼休みは事務所でハダシで独り静かに座っている。会社は環境のいい処にあるからウオーキングでもすりゃいいと思うが、足が汚れるからか、そんな気配はない。何処となく謎に包まれている。

   

 先の二人を眺めていると、「人は実に様々だ」と感じてしまう。一般にはそんな人を「あの人は個性がある・我が強い・友達になりたくない」と評される。程度が酷ければまともな社会生活が送れない事になるが、大抵は許容範囲だ。それどころか、世の中を変えたり変革したり発展させるのは、こんな「個性の強い」人ではないかという気さえする。最近の米国のトランプ大統領(=私が彼を好きと言う訳では決してないが)を連想させる。


つづく

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