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第三百九十九:泰子さんの話(296)  ひたむきに生きる人

第三百九十九:泰子さんの話(296)  ひたむきに生きる人


 先に紹介した新入社員の女を、(私は専門家ではないが)一種の「発達障害」と私は観ている。泰子さんと似ていると思う。泰子さんも一種の発達障害だと理解しつつ、私は泰子さんを好きである。


 双方に共通しているのは「拘り」が極端に強い一方で、そんな欠陥がありながら同時に人並み優れた頭の良さがある。例えば泰子さんなんか、96のくせに多くの電話番号を暗記している。私なんか自分のスマホの番号たった一つでさえ覚えられない。

 更にこれが不思議で好ましいと思うが、並の人より真面目に「ひたむきに生きている」ように見える。生真面目さときたら、目にしみて煙たい位だ。内側の生活さえ豊かならば人は幸福でいられると聞くから、(お金が有っても無くても)新人女も泰子さんも幸せな人に違いない。


 「拘り」が人一倍強いとしても、欠陥と利点を足し合わせて二で割って平均すれば、「普通の人」という訳だ。理屈はそうなるが、例えば片手を氷水につけこんで他方の手を熱湯に入れて、平均すれば「ああ、快適だ!」とはなるまい。これに似て「拘り」の強い人と付き合うのは、ちょっとした緊張感がある。


つづく

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