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第三百九十三:泰子さんの話(290)  新しい女

第三百九十三:泰子さんの話(290)  新しい女


 29歳で170センチ以上の長身の女が入社して2ケ月が過ぎた。私の秘書を兼ねた技術スタッフである。大学は文科系であったが、技術系人間に改造すべく2ケ月の間に様々な知識を教え込んだ。特訓である。材料力学や金属組織の初歩から三次元Cadも教えたし、宣伝用動画も作成させた。新しい分野にいささかも戸惑わず、女はむしろ熱心に勉強した。進歩しようという誠実さがあった。


 要点を押さえた無駄のない文章を書く素質に感心もした。元々英語もキッチリしたものを書いたが、たった二ヶ月で海外の取引先とやり取りも始めたし、今や受注の技術的処理もこなすようになっている。


 泰子さんみたいに、記憶力も抜群で忘れないから、頭が良いのは確かだろう。教えられなかった事でも、社員間で話すお喋りから耳学問で学び、見様見真似で新たな仕事をマスターする。もう何年も前から居る社員みたいで、年季の入った男の同僚達も目を見張る位のものである。2ケ月間の成長ぶりは目覚ましく、女の肩を持つ訳では無いが成果に舌を巻いたのはむしろ私の方で、滅多に無い良い拾い物をしたと感じている。


 学びながら本人はストレスや重圧を感じている風でもなくアッケランカンとしているから、若い人というのは教えれば何でも短期間に吸収し得るものなのだろうか。


つづく

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