第三百七十四話:泰子さんの話(272) 三日目の栄養失調の女(3)
第三百七十四話:泰子さんの話(272) 三日目の栄養失調の女(3)
ウチは軟弱な職場ではない。ヘアスタイルや数式の暗記を含めてスパルタ教育で肝試しをした訳だ: このプロセスで、「こりゃあ、到底私には付いて行けないわーーー」と感じたら、直ぐに辞めるだろうと初めからそう考えていた。周りの社員もそう観て心配した:「社長は、あの新人を辞めさせたいのかなあーーー」
辞めるなら、早めにさっさと辞めるがいいと私は半分そう考えていた。辞めたいなら、引き留めはしない。あにはからんや、栄養失調のくせにスパルタ教育に女は辞めるどころか、増々張り切った。屈託無さそうに「はい、明日もちゃんと九時に来ます」と明るい返事を繰り返して、半月が過ぎた。
途中十日ほどが過ぎた時だったが、こんな事もあった: 会社のWebページ(数ページ)を英語に直せと命じたら、三日ほどで割に上手に英文に直して来た。十ニ日目に試しに海外の取引先へ(私の代筆で)短い返事を書かせてみた。原稿を赤ペンで添削をしようと、こっちは構えて待っていた。送信前に私へ見せた作文を眺めて、意味が正しく通じ、ほぼ完全に近かったので、これを眺めて意外に思った。むしろ、少し薄気味悪く感じた:
つづく




