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★第百五十六話:泰子さんの話(54)「戸籍謄本](5)

★第百五十六話:泰子さんの話(54)「戸籍謄本](5)


 遺産分配に関する限り、法的には夫婦が他人扱いなのは、無論私も承知している。けれども、男と女が結びつく結婚とは一体何だろうか、と考えずにはいられなかった。


 結婚とは:恋をしセックスを楽しみ育児をし子孫を残し老後へ向かう、のが基本で一種の自然なプロセスだ。けれどもその中に、夫婦として抜かしてはならない大事なポイントがあると思う: 難しい事ではない、「二人で居る事を、二人で慈しみ合う」事が大切と思うが、どうだろうか。一言で言えば「互いの情愛」であり、「愛し合う」事。そうすべき理由は簡単にして明快だ:何故なら、せっかく結婚したのだからーーー。


 「慈しみ合う」のは、「異性同士で惹かれるのが自然現象」だから実行はごく易しい事のようだ。しかし一方で「異性と言う水と油みたいな異質な者同士の同居」でもある。これが故に難しいとも言える。

 結婚は相反する要素を元々含んでいるが為に、多くの夫婦が実際に上手く行かずに破綻している。私の知り合いの離婚した女性Mさん(当時50歳)によれば、世の夫婦の70%は(別れないとしても)上手く行ってないわ、だそうだ。本当だろうと私は思う。


つづく


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