長屋門とは
何度か書いたが、会社は神戸市の岩岡村にある。地名の通り地区全体が岡(丘)となっていて、平地から高さで約70mほど上がった処にある。平地に比べると1℃くらい気温が低いかも知れないが、この際重要ではない。何せ地区全体がただっ広いから、そこにおれば高地と言う感じは無く、宇宙酔いなどとは無縁だ。
地理的に広大な播磨平野のコメどころの一角だから、何処まで行ってもまっ平で、どちらを向いても山は遥か彼方に霞んでいる。果てまで歩いて行き着ける距離ではないから、まだ果てまで歩いたことは無い。
農家が多いが、コメどころだけに昔から地区全体が豊かなのだろう、こせこせしておらず何処を歩いてみてもゆったりした風がある。会社の昼休みに近辺をWalkingしていると、とても大きな農家に行き当たる事がある。簡単に歩いていてそんな出現が一つは二つではない。中には数は多くないが昔は庄屋だったのだろうか、長屋門(=門自体の中に人が住めるだけのスペースがあるほど大きな門構えの事)を構え、正面が母屋で右側に納屋を配置し、豪壮と呼ぶにふさわしい大農家もある。
それが屋根瓦を新しく葺き替えたばかりの屋敷だったりすると、見事さに目を奪われる。屋敷は、大抵人が通る公道に直接面しておらず、門の前に屋敷に通じる割に長い私道があってそれで繋がっている。そこを用も無いのにノソノソ歩くのは大いに目立つし流石に気が引けるから、表札を読める至近距離までは近づけない。私道の両側の広い田畑は恐らく屋敷の所有なのだろう、全体に人を圧する気迫がある。




