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手で触り・掴み・撫ぜる

・愛する人が居る人は、居ない人よりは確実に幸せである。愛すべき好きな人を探すのは、幸せ探しと同じ。


・人生で閉塞感を感じたら、結婚するのも一つの手だ。慈しみ・愛する人を手に入れる(=幸せを手に持つ)事が出来るから、という理由で。


・離婚しようとする人は、愛する人を失おうとしている意味で、不幸の道を行こうとしている。そのまま離婚で終わらせずに、つまり(結婚なんてコリゴリと思い込んで)以後に何もしないよりも、愛する次の人(=幸せ)を手に入れるように軌道修正するのが幸せへの道。


・「浮気」は世の中から決して無くならないが、実の処は、無意識に人が「幸福を追い求める」結果だと判る。


・歳を取っても、異性へ恋心を持ちづるけるのは正しい生き方であって、人として幸せの道だ。100歳になっても恋をしていたいものと思う。


・この定理に従えば、概して結婚している人は、していない人よりは幸せの度合いが高い筈になる。進化

 上でいえば、即ち、いつでもセックス出来るのだから。これは配偶者の居る人(結婚している人)の方

 が、シングル(独身者)よりも平均的に長生するというデータと整合性があり、幸福度の違いと思う。


・世の中で一番の幸せ者が間違いなく「仲の良い夫婦」というのは、殆ど断定できる。外に幸せを探す必要は無い。カール・ブッセは夫婦仲が良くなかったのかもしれないーーー。幸せを「山の彼方あなた」まで探しに行かなくても、幸せの女神は彼の直近に棲む奥さんの筈であって、灯台下暗しだ。


・人類の進化の観点から考察して幸福の在りかを探りあてた。「人を愛し・慈しむ事・恋人を持つ・恋愛をする事」であるが、先にも言った通り幅がある。プラスして進化を継ぐ意味で不可欠な要素がある:人間の場合、赤ん坊は決して一人で生きて行けないから(滅亡しないために)「子への愛情」、更に広い意味で「家族愛」も、広義の意味で含まれると思う。メダカや鮭とは違い、人間たる所以がある。即ち「子を持つ事」も「家族を持つ事」も、幸せの「在りか」に含まれると思う。


・翻って、歳が入って配偶者を亡くす人は多い。「愛する人」(=幸福)を新たに見つけるのは、高齢になるほど(本人に意志があっても)難しいものだ。その意味で、老人の孤独は「不幸の象徴」と言えそうだ。報われるべき年代の到来が、同時に不幸の到来であるのは悲しい。もし行政が幸福の在りかをちゃんと知っていれば、老人向けのペアマッチングを行う社会的なシステムがあっても良い筈と思う。


 幸福になりたければ、何を「どうすればよいか」の道筋が見える気がする。幸福は頭の中の抽象的な概念でも哲学でもなく、誰でも知っていて「手で触り・掴み・撫ぜる」事が出来る。筆者の達見でもなんでもなく、幸福がセクシーなものに結びついている、と人は誰でも「本能的に気付いている」ように思う。


 「人間にとって、人間以上に美しいものがある筈はない」(坂口安吾)の言葉も卓見で、幸せの在りかのポイントを正確に突いている。けれども日々の忙しさに紛れて、そう意識して生きている人は多くないようだ。

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